上達曲線①

今回のテーマは、「上達曲線」です。

稽古量と技量の上達の関係を図式化したのが下のグラフです。
横軸が稽古の量、縦軸は技量です。
技量の頂点は、前回の記事で書いた「質の変化」がある程度成立した状態とします。
(実際には質の変化に到達点はありません。頂点もどこまでも伸びていきます)

武道を学ぶ方の傾向は、図のように大きく2パターンに分けられます。
Aパターンは、いわゆる運動神経の良い人、覚えの早い人です。
Bパターンは、運動神経は必ずしも良くない人、新しい動きを覚えるのに時間を要する人です。

最初はAパターンの人が急角度で上達しますが、ある段階からそれが鈍化し、曲線が緩やかになります。
Bパターンの人は、最初はなかなか目に見える上達はありませんが、稽古量が一定量を超えるとグッと伸び始めます。
最終的な「質の変化」に至るまでに要する稽古量には、両者にそれほどの差はありません。

「質の変化」は、肉体の内側の動き、内部感覚の変化を要求するものであり、
AパターンもBパターンも、一定以上の稽古量を積み重ねない限り、その領域にはたどり着けません。
達人と呼ばれる人は、誰しも例外なく、尋常でない量の積み重ねをしています。

ちなみに、両パターンの交点、「質の変化」以降は、両者にほぼ差が生じないように思います。
動きのベースが、元々の運動神経に依存しないものに変わるためでしょう。
例えば、重心の移動をロスなく突きに伝える動きは、極論すれば単に歩いて手を出すだけなのです。そこまで至ると、運動神経うんぬんではありませんよね。

さて、ご自身はどちらのパターンに近いと思われますか?

次の回では、それぞれのパターンについてもう少し見てみます。

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