上達曲線② Aパターンの傾向と対策

前回の記事に引き続き、今回はAパターンの人について詳しく見てみます。

■傾向
物覚えがいいAパターンの人は、動きにすぐ慣れ、型もすいすい覚えてしまいます。組手もどんどん強くなることでしょう。
開始以降の技量の上達カーブは、急角度を示しますが、一定の段階(黄帯から緑帯でしょうか)でそれが鈍化します。

なぜ鈍化するのでしょうか。
それは、初期段階での上達は、あくまで「量の拡大」の世界のものだからです。
型がきれいに決まり、組手が強くなったとしても、そのほとんどは、ご自身が元々持っている運動神経・センスの延長線上のものなのです。
「質の変化」には至っていません。
壁に当たってはじめて、本来の武道の稽古が始まるとすら言えます。

ですが、ここで残念なのが、
・一通りの型は覚えてしまった。あとはこのパターンが増えるだけみたいだから、あまり面白くないなあ。
・どうも分からないが、以前のようにサクサクうまくなれる気がしなくなった。つまらない。
という思考に走ってしまうことです。それで辞めてしまっては大変もったいないです。
実際にはまだ本来的なものを習得できていないのに終わりにしてしまっては、武道を学ぶ甲斐がありません。

■対策
このまま「量の拡大」を目指す方向では、本質的な上達にはつながりにくいでしょう。
難しそうな型や組手をただ増やすだけでは、変化はなかなか生じないはずです。

お勧めは、根本的な立ち方、歩き方、突き方に立ち返ることです。足腰を改めて鍛え直すのもいいと思います。
それらの決して目立たない部分に目を向けて精度を高めていくと、自然とそれらの応用である型や組手も変わっていきます。
地味ですが、ちゃんとやれば、案外それほどの時間を要さず成果につながることが分かるはずです。

Aパターンの方々は、大抵のことはこなせるために、本質的な質の向上の必要性に気付くのが遅れがちです。
ですが、その必要性に本当の意味で気付けたら、もともと感覚は鋭いので、変化も早いでしょう。
いかに早く気付き、外に現れる技術ではなく、内部感覚に意識を向けられるかがキーだと思います。

次回は、Bパターンの人の傾向と対策を考えてみます。

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