前回の投稿で、量質の転換を起こすために、②どれくらいの数が必要か、について書きました。
今回はその続きとして、それらの運動を、③どれくらいの期間、続ければ良いかについて書いてみます。
鍛錬の期間については、「3のつく日数を意識しなさい」と言われたことがあります。
3日、30日、3ヵ月、300日(ざっくり1年)、3年、3000日(ざっくり10年)、30年、、、という感じです。
私の経験を振り返ると、四股踏みを始めた際、
初日は出来たものの、翌日は筋肉痛でかなりきつかったです。
それでも、3日目も何とかこなし、「続けられるかも」と思えた気がします。
30日経つと、身体が大分慣れてきました。
3ヵ月目には、動きがグッと変わった感があり、効果を実感できました。
1年後には、すっかり習慣化して、やらないと気持ち悪い位に思ったのを覚えています。
3のつく日数を節目に、様々な変化が生じました。
皆さまも、継続の目安にされるといいかもしれません。
とはいえ、上記はあくまで私の体験です。
3ヵ月目で動きが変わったのが、「質の転換」と言えるものだったかは分かりませんし、子供の頃から自宅で空手を習っていたので、多少の素地はあったろうと思います。
では一般論として、「質の転換」にどれぐらいの期間が必要か、考えてみます。
宮本武蔵の「千日をもって鍛となし、万日をもって練となす」という言葉はご存知でしょうか。
「鍛」は、固いもの、外側の筋肉的な強さ、
「練」は、内側が柔らかく練り込まれ、「鍛」から質的に変化した強さ
と解釈しています。
千日=3年、万日=30年とすると、
最初の3年は、開始時点の「質」の延長線上で強くなっていくが、
それが過ぎると「質」の転換が生じ、30年で極まる、
とも言えるかもしれません。
この日数感は、長年武道を続けてらっしゃる方なら実感に合うのではないでしょうか。
これを踏まえると、
武道を始めて最初の3年は、将来的な質の転換を意識しつつ、出来る範囲で身体を大いに動かして鍛え、
それが経過した位から、徐々に「鍛」から「練」に鍛錬の内容や力点を変えられるといいと言えるのではないでしょうか。
ちなみに、武道学館では、色帯を「鍛」、黒帯(初段以降)を「練」の時期としており、週4回ペースで稽古を続ければ、最速3年で黒帯が取得できるように審査要件を決めています。
さて、次回は、④どんな意識で 行うべきかについて考えてみます。