歩行を稽古にする

このブログでも再三申し上げている通り、
日常生活の中で毎日少しずつでもいいので、
鍛錬(一人稽古)を積み重ねることは非常に重要です。

長期的にちゃんとした実力をつけていく人は、
必ず一人稽古を積み重ねています。

とはいえ、普段は仕事や家事で忙しいし、
一日や二日は出来てもどうしても継続できない・・
ご事情はよく分かります。

そんな方にぜひ試していただきたいのは、
「日常生活の一つ一つを稽古に変えてしまう」
ということです。

歩行を例にとると、普通に歩きながらも、

  • 足の裏がとけて、地面に沁み込むようにイメージする
  • 同時に、頭頂を上に伸ばすようにし、背骨を上下に引き伸ばしながら歩く
  • 肩、肘、手首を脱力して、腕の重さを感じながら歩く
  • 鼠径部、膝、足裏のつながり、重さの流れを意識する
  • 左右の足を進めるときに、軸線も左右に少し移動するのを観察する
  • 視点を遠くに持って行く。視界を広く、全体をぼわっと捉える
  • 足裏の重心位置が毎回微妙に変化するのを感じ取る
  • 仙骨が後ろから押される、肚や胸が前から引っ張られるように歩いてみる

最初はこの中の一つを意識し、徐々に複数を同時に、数を増やしていく。
もしくは、肩であれば徐々に体の内側を細かく観察してみる。

継続できれば、これだけでも感覚を磨く立派な稽古になります。
集中が進めば一種の瞑想にもなります。
実際、歩行瞑想というのもある位です。

ぜひぜひ、お試しください。

私のお師匠さんは、よく「箸の上げ下げも行である」とおっしゃっていました。
日常動作の全てを徹底的に丁寧に行うことができれば、それすなわち一人稽古であり、瞑想であると言えるのでしょう。
私もこれには遠く及びませんが、少しずつでもこの境地に近づきたいと思っています。

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