お稽古で必ず耳にするワードの一つが鼠径部。
空手を始めるまで聞いたことがありませんでしたが、太ももの付け根のくぼんだ線、ざっくり言うと、コマネチやハイレグのラインです(笑)
“鼠径部を柔らかくすることが全て”と言っても過言ではないほどで、立つにしても動くしても重さが変わります。
立つ例として三戦立ちを挙げると、両拳を押された場合、腕力には限界があるため、パワーの差次第では一瞬で崩れてしまいますが、鼠径部がクッションのようになれば、重圧を吸収することができ、筋力を一切使わずに立ち続けることができるのです。
動く例としての前屈立ちの移動では、前進・後退のいずれにしても鼠径部をゆるめる(折る)ことが、重心と体重をそのまま移動させることに繋がるので、これができていれば、拳はフワッと突き出すだけで、同じく筋力を使わずともドーン!!と相手を押したり、引いたりすることが概ねできます。
「動くとは重い力と書く」と館長が仰っていましたが、武道において重さがのっていない移動は、動いていることにはならないのです。
長年のハイヒール生活で反り腰等の色んなクセがあった中、徐々に改善はしてきているものの“鼠径部問題”は解決までに時間が掛かりそうです。
歩き方がハイヒール仕様になってしまっているのか…はっきりとした原因はわかりませんが、太ももの付け根が張り気味なので、残念ながら、空手の動作は体の軸でカバーしているというのが現状です。
頭頂部・仙骨・鼠径部・足裏と日常ではあまり馴染みのないラインナップですが、あくまで個人的な実感として、全てが整うと自然に“肚が決まる感覚”が出てくると思います。
元々の体質やいわゆるセンス的なものでこなせれば、それはもちろん素晴らしい才能ですが、コツもなく、言い換えるなら言語化した回答がない世界だからこそ、先生や先輩方のご指導を自分で解釈して検証・体現していくことが、上達し続けるうえで大切な心構えだと最近つくづく思います。
このブログを始めた頃にも、空手の奥深さ(※クリック)について書きましたが、初心忘るべからずの精神で、今後も空手と向き合っていきたいです。
次回は<護身術>について投稿します。