前回の投稿で、量質の転化を起こすために、①どんな内容が良いかについて書きました。
今回はその続きとして、それらの運動を、②どれくらいの数、続ければ良いかについて書いてみます。
当然ながら、具体的な回数は運動によって異なりますが、目安となるのは1,000回、それを毎日です。
「1,000回を毎日」と聞くと、大抵の方は「そんなの普通は出来ない」という反応をされます。
まあそうですよね。
普通は言わないと思います。
しかし、まさにその「普通では出来ない」数字だから良いのです。
100回や200回は、一定の体力をお持ちなら、ちょっと頑張れば出来てしまいます。
これはつまり、今の運動の「質を変化させずに出来る回数」ということなのです。
一方、1,000回×毎日は、単に頑張って出来る回数ではありません。
1,000回×毎日を実現させるためには、必然的に「質の変化を伴う」ことになります。
実際、たとえ初日は気合で1,000回出来たとしても、翌日は筋肉痛でパンパンでしょう。
それでも同じことをやるためには、自然とその筋肉を使わない運動に変化するはずです。
表層ではなく、より深層の筋肉を使ったり、
足で蹴って移動するのではなく、重心移動で動いたり、
などなど、自然と運動の質が変わります。
それを毎日繰り返せば、質の変わった動きが、その人の当たり前になっていきます。
1,000回という量を目指すことで、質の変化が自ずと引き出されるのです。
1,000という回数はなかなか面白いです。
例えば前回の投稿でご紹介した四股踏みを毎日1,000回やっていると、最初の200~300回は普通の運動の感じなのですが、600~700回辺りから内部感覚が明らかに変化してきます。
続ければ続けるほど、内部感覚自体もどんどん変化していきます。より細かく、深部に至る感じでしょうか。
そしてその変化が、空手の技や日常動作に反映されて行きます。
その過程には、他にはない面白みがあります。
さて、というわけで1,000回がお勧めの回数なのですが、実際には簡単ではないと思います。
時間もそれなりにかかってしまいますし。
なので、出来る範囲で結構です。
50回でも100回でも、なるべく毎日、習慣として、数を積み上げて下さい。
目指したいのは質の変化ですから、根性論的にただ数をこなすのではなく、動きを丁寧に丁寧に行うようにして下さい。
きっと、質の変化に結びついていくはずです。
さて、次回は、③どれくらいの期間 について書いてみたいと思います。