今回は大学時代の経験について書いてみます。
大学では、空手部と茶道部に属していました。今回は茶道についてです。
茶道の身遣いは、武道と共通する部分が沢山ありました。
点前(お茶を入れて仕舞うまでの一連の動作、型)の最初に、「袱紗(ふくさ)捌き」といって、道具を清めるための布の袱紗をたたむ動作があります。
まず両手で円を作り、胸の前あたりで袱紗を構えるのですが、驚くことに、これが立禅(上級者向けのクラスで指導しています)の手の形と全く同じなのです。
この動作の意味として、点前を始める前に、これで呼吸を落ち着け、動きの範囲を決める、と聞いたことがあります。これも全く同じです。
当時から立禅があったわけではないと思いますが、点前を創作された方はどうやってこの動作を取り入れたのでしょうか。
さらに、
点前の動作は基本的に袱紗捌きの円の範囲内に収める、
道具を取るときは肚から手を伸ばすようにする、
茶碗を拭くときは両手を協調させる、
等々、武道にも共通する身遣いのポイントが沢山ありました。
茶道は当然ながら、相手を倒すためでも、敵から身を守るためのものでもなく、お茶をもって客をもてなすためのものですが、全く正反対の目的にみえる両者の身体遣いの根本に共通する部分が多いことに、面白味を感じていました。
点前をやると、確かに身体が整うし、気持ちも落ち着きます。
武道も、元は闘争手段から発したものですが、そのようでありたいなと思います。