
今年から「内功」クラスを増やし、土曜日の夕方にも隔週で行うことにしました。
「内功」とは、一般に言う「気功」(※文末参照)のイメージに近いもので、「立禅」と「動功」から成っています。本ブログで再三触れているO先生、S先生に教えていただいたものです。
「内功」の動きはどれも非常に単純ですが、それ故に非常に奥深く、いくらでも追及でき、何歳になっても続けられます。
実際、晩年のO先生はかなり身体が不自由でいらっしゃいましたが、請われれば指導し、玄妙と表現したくなる力を発揮されていました。
見た目の派手さ、力強さはなく、現代的な空手とは一見大きく異なります。
このため、空手を表看板に掲げる武道学館で大々的に取り上げることを控えてきましたが、理解が進むと、要求されているのが実は同じであることが分かってきます。
形を問わないため、様々な身体運動の基盤になりえ、私自身の空手の在り方も、内功抜きでは説明の付かないものに変化してきました。
一部の方にも、普通の鍛錬の延長ではない成果が出てきています。
以上の経緯から、「己事究明」、「生涯武道」を指向する上で、有効な方法と改めて捉え直し、皆さんとより広く共有すべく、今年からクラスを増やすことにいたしました。
とはいえこの「内功」、難しいのは形を真似てもあまり意味がないことです。
(実際、O先生のさらに師匠は、「真似るな、学ぶな」とおっしゃっていたそうです)
大事なのは内的な質、感覚であって、これは時間と検証を経ながらじっくり作り上げていくほかありません。
でも、少しずつでも分かってくると、「ああこんなことができるものなのか」という感動がありますし、空手の理解も大きく変わります。
急がずじっくり、ご一緒に取り組んで参りましょう。
※O先生は、「気」という表現は使われませんでした。「気」は、使われ方によって様々な意味合いがあり、神秘的な文脈で使われることもあります。O先生ははっきりと、内功は「説明の付くもの」とおっしゃっておられました。武道学館でもO先生のお考えに従い、「内功」と呼称しています。