空手をやる上で必要な「柔らかさ」とは何でしょうか。
一般的には、足が180度開くことなどを指して、「柔らかい」と言いますよね。
「静止状態」で、「関節の一部」の可動域が広い状態です。
確かにこの方が、足が高く上がるので上段蹴り等はしやすいでしょう。
あった方が望ましいと思います。
ですが、武道で本当に必要な柔らかさは、足腰や自身の重さから生じた力が、ロスなく手先・足先に伝わる状態です。
そのために必要な「柔らかさ」は、
「静止状態」で、「関節の一部」の可動域が広い状態ではなく、
「動きの中」で、「なるべく多くの関節」が連動して動く状態です。
この二つは同じではありません。
関節の可動域が広ければ、柔らかく動けるというわけではないのです。
両者を満たせれば理想かもしれませんが、前者だけでは武道の世界では使いづらく、後者さえあれば武道の動きはほとんど成立します。
実際、有名な師範方でも一般的な意味では「身体が硬い」人は少なくありません。
関節の可動域は、老化が進めばどうしても狭くなりがちですし、元々の骨格的な得手不得手もあります。
ですが、関節を連動させる柔らかさは、可動域よりは脱力がキーとなるので、年齢等に左右されず維持向上させることが可能なはずです。
稽古の前の柔軟体操は、空手の動きに入る前に、各関節の可動域を広げ、さらに連動性を高めるためにやっています。ケガの防止にも繋がります。
意識していただくと良いのは、それぞれの種目の主目的の関節だけでなく、周辺の関節や筋を連動させるようにすることです。
多くの部位を協調させなければならない種目は特に念入りにやると良いでしょう。股割りはその代表格と言えると思います。