ながら稽古の是非

※今回は「師から学んだこと」シリーズではなく、道場生の方からいただいたご質問にお答えします。

時々、こんな質問をいただきます。
「自宅で鍛錬したいのだが、なかなかやる気が起きないからTVとかを見ながらでもいいのでしょうか」

「ながら鍛錬」、「ながら稽古」というものですね。
大抵こんな感じでお答えしています。
「ながらだと質は落ちてしまいますが、やらないよりは全然いいです。ぜひどうぞ」

これまで何度か書いてきた通り、鍛錬の目的は、筋力以上に感覚を作っていくことにあります。
なので、単に回数をこなすのではなく、いかに集中できるか、内部感覚に目を向けられるかがキーになります。
TVを見ながらではその分意識が他に向けられるので、鍛錬の質はどうしても落ちます。できれば避けたいのが本当のところです。

ただ、疲れて帰宅後に鍛錬をするのはハードルが高い・・というのもおっしゃる通りです。
なるべく日常生活に鍛錬を組み込んでしまいたいのに、ストイック過ぎては難しいかもしれません。

私のおすすめは以下の方法です。

1. 回数やメニューの目標を定めず、とりあえず始める
「今日はXXを1000回!(1000回でないと意味がない!)」などと決めてかかると、ハードルが高くなります。
そうではなく、とりあえず始める。
始めてしまえば、どんどん調子に乗ってきて、あれもこれもとそれなりにやれてしまうものです。
結果として1000回やれなかったとしても、案外多くできるものです。

2. 最初は「ながら」でもよい
もう一つは、いっそ「ながら」を許容して始める。
始めたら、TVを見たままでは身体が動かしにくかったり、集中しづらかったりしてくるので、そのタイミングでTVを消す。
これをやるためのポイントは、面白過ぎるTVは選ばない、ということですね。
一度見たことあるようなのを選ぶといいかもしれません。

他にも、「時間を区切る」、「ご褒美を用意する」など、色々やりようはあります。
こうして習慣化してしまえば、段々とハードルが下がって「ながら」でなく当たり前にやれるようになるかもしれません。

逆に言うと、最初のハードルを下げるために、あえて「ながら」を利用するのも手ですね。
とにかく、稽古も鍛錬もやったもの勝ちです。
まずは手段を選ばず、質にこだわり過ぎず、少しずつ始めてみてください。

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