「座る、立つ、歩くができれば..」

S先生のさらに先生にあたる方が、
「座る、立つ、歩くができれば、それだけで達人」
と常々おしゃっていたそうです。

最近改めて、そうなんだろうなと実感します。
技のバリエーションが多いのが達人なのではなく、根本的な立ち方、歩き方の次元が異なる。
本当にできる人は、立ち姿がスッとして美しいものです。

空手も型が進むと複雑な動きが出てきますが、それらを反復練習するだけでは上手くならないことが往々にあります。
阻害要因となっているのは、大抵、立ち方、歩き方などの日常動作に染み付いたクセです。
それらを少しずつ調整、矯正していくと、いつの間にか型も上手くなってくる。

武道に限らず芸事では、「基本が大事」とよく言われます。
まさにその通りですが、二足歩行の人間にとって、空手云々以前の一番の基本は、「座る、立つ、歩く」なのではないでしょうか。
「座る、立つ、歩く」の質が、空手の質をも左右する。
そこまで認識が至ると、日常生活と武道、空手が不即不離になって、空手が日常生活の見直しのきっかけ、梃子となる。
武道をやる意義の一つは、そこにあるのかもしれません。


手元にO先生が立禅や動功をしている写真があります。
何の気負いもなく、ただやっていて、周囲に完全に溶け込み、それでいて存在感がある。
いつかこういう風に立てるようになりたいと思います。

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